睡眠時無呼吸症候群
(SAS=Sleep Apnea Syndrome)とは
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ているときに何度も呼吸が止まり、ぐっすり眠ることができない病気です。
大きないびき、夜中に何度も目が覚める、起床時の頭痛、昼間の眠気、集中力の低下などさまざまな症状を引き起こします。
また、日中の眠気により仕事に支障が出たり、居眠り事故などの社会的な影響や、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などを合併する確率が高くなる身体的な影響を引き起こします。
SASの定義は、10秒以上の無呼吸(呼吸が止まっている状態)が、1時間に5回以上起こることをいいます。
そのほとんどが、なんらかの理由により、睡眠中に空気の通り道である気道が塞がり呼吸が困難になるのを繰り返す閉塞型睡眠時無呼吸症候群です。
肥満などで睡眠中に上気道を閉塞することが主な原因ですが、鼻、のどを狭くするような病気がないか確認しておくことが重要です。
“昼間の眠気”を測定するためのテストです。
以下の状況下でうとうとしてしまったり、眠ってしまったりすることはありませんか?
ご自身の普段の様子を思い浮かべて、チェックしてみましょう。
~数字の度合い~
0:決して眠くならない
1:時々、居眠りしてしまう
2:居眠りすることがよくある
3:だいたいいつも居眠りしてしまう
状況 | |
---|---|
1 | 座って読書している時 |
2 | テレビを見ている時 |
3 | 公の場所で座って何もしていない時(例えば劇場や会議) |
4 | 1時間続けて車に乗せてもらっている時 |
5 | 状況が許せば、午後横になって休息する時 |
6 | 座って誰かと話をしている時 |
7 | 昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っている時 |
8 | 自分が運転をしており、交通渋滞で2~3分止まっている時 |
こちらから問診票のスコアが分かります。
5点未満ですと安心ですが、11点以上ですとSASが強く疑われますので、受診をお勧めします。
SASが疑われた場合、当院では「簡易検査」を行います。
専用の検査機器を業者を介してお貸出しし、ご自宅で検査を行ってもらい、そちらを基に解析し診断します。
簡易検査と精密検査があります。
自宅で実施できる検査機器を使って行います。手の指や鼻の下にセンサーをつけて、呼吸やいびきの状況を調べ、睡眠時無呼吸症候群の可能性を検査する事ができます。
AHI(Apnea Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)の数値を測定します。
~20 | 経過観察または口腔内装置 |
20~40 | 要精密検査 |
40~ | CPAP療法 |
※血中の酸素濃度が低い場合にも、精密検査をお勧めしており、専門病院で検査を受けていただきます。
簡易検査では判別が難しい場合に実施する検査です。
精密検査を行うには、専門医療機関で1泊して実施する必要があります。夕方に医療機関に訪問し、検査機器をつけて就寝し、起床したら検査機器を外し、帰宅できます。
当院でも簡易検査で無呼吸症候群の判断ができない検査結果の場合は、精密検査をご案内しており、提携医療機関をご紹介しております。
CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)、口腔内装置(マウスピース)、手術という治療方法があります。
当院ではCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を行っております。
マウスピースは歯科、口腔外科に紹介して作成をお願いしております。
近年、主流となってきている治療方法です。
睡眠時にマスクを装着し圧力を加えた空気を送り込むことで気道の閉塞を取り除く治療です。
副作用も少なく、現在最も治療効果が高いとされている方法です。
この治療を受けた方は、95%が正常範囲内であるAHI 10以下に改善しています。
月1回の受診が条件として定められています。
保険診療が適用され、3割負担の場合、自己負担額は1ヶ月約5,000円です。
マウスピースで下顎を前方に固定させ、空気の通り道を開きます。
簡易検査の結果でAHI=10以上20以下の軽症で治療希望の場合、マウスピースによる治療になります。
治療ができる歯科、口腔外科を紹介します。
扁桃摘出術や鼻中隔矯正術など上気道を閉塞する病気があるようでしたら、手術可能な施設に紹介します。